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2021/01/14 - story

慣れ親しんだ街でこれからも。将来に備えた築30年の戸建てリノベ

札幌市・夫婦、子ども1人

長年戸建て住宅で暮らしてこられた方の中には「先々のことを考えると、家のメンテナンスや除雪の負担が心配」「車移動がメインの郊外よりも、利便性の高い都市部に」などの理由で、マンションへの住み替えを検討する方も多くいらっしゃいます。その一方で、長い間親しくしてきたご近所さんが多く、居心地の良い今の街を離れがたいと思われる方も。札幌市のKさんご夫妻はまさにそんな思いを抱き、築30年のわが家のリフォームを考え始めたといいます。

外観は白を基調とした明るいイメージに一新。旧宅のイメージに倣って、玄関まわりだけ落ち着いた色の外壁材で仕上げた

老後も安心して暮らせる住まいを願うご夫妻が希望されたのは、生活のメインスペースとなる1階のバリアフリー化です。そこでLDKと寝室を造作の可動棚で仕切り、間取りを自由に変えられるプランをご提案しました。

LDKと寝室の間に、造作した可動棚を2台設置。この可動棚は間仕切りであるとともに、普段はパソコンコーナーや収納として使える機能を備えています。キャスター付きで簡単に動かせるので、必要に応じてリビングと寝室の間口を広げたり、場所を移動させてLDKと寝室を開放的なひとつながりの空間に変えることもできます。

1階を1つの大きな空間としてプランニング。家の前の通りからの目線を気にし、レースのカーテンを閉じたままになって薄暗かったリビングが、明るく気持ちの良い空間に

リビングとバリアフリーでつながる寝室。可動式の棚を2台造作して、普段は棚で仕切って寝室への視線を遮りつつ、気配は伝わる間取りに。可動棚の一角はパソコンデスクになるよう設計

この間仕切り収納はキャスター付きで移動も簡単。必要に応じて間取りを変更しやすく、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる

また、LDKと寝室に間仕切った状態でも天井との間が開いているので、寝室にいてもリビングやキッチンの気配が伝わります。実は旧宅では、道路から家の中が見えてしまうことが気になって、リビングのレースのカーテンが閉じたままでした。そのためリノベーションを機に、室内が見えにくいブロンズ色のLow-Eガラスに変更。薄暗さを解消しました。部屋が自然光で明るいと、気持ちもより晴れやかになりますね。

木と白い内装のコントラストが心地よい、広々としたLDK空間。LDKと寝室を完全に間仕切った状態でも、天井を介して気配が感じられる

古くなっていたキッチンも設備を入れ替え、真新しくて使いやすく、気持ちのいい空間に

古くなっていたキッチンも設備を入れ替え、真新しくて使いやすく、気持ちの良い空間に

老後の暮らしやすさを重視したこのリノベーションでは、生活動線を遮る家具をなくすために収納計画も入念に行いました。手持ちのタンス類は寸法を測って、寝室のクローゼットにすべて収まるように設計。奥さまの趣味のパン作りの道具や入浴時のタオル・着替えなどの収納も、出し入れしやすい場所に造作しました。

元々持っていたタンス類が寝室のクローゼットにぴたりと収まるよう計画。寝室側の可動棚には、お仏壇が入るように設計した

週に数回使うパン作りの道具は、ユーティリティの前面に造作した棚に収納。使用頻度に合わせた収納計画が使いやすさのポイント

ユーティリティにも大容量の収納を確保。浴室は、間口が大きく取れる3連引き戸を採用した

ほかにも、玄関や室内の壁の内側に手すり用の下地を施したり、トイレを介助ができるような広さにしたりと、まさに「備えあれば憂いなし」の家になったKさんご夫妻の住まい。慣れ親しんだ土地で、これから先も安心して暮らしていくための準備が整いました。

奥さまより

築30年を経た自宅で特に気になっていたのは、外壁と水まわりの傷みでした。当初は部分的なリフォームも考えていましたが、同じぐらいの築年数の家に暮らすご近所さんの経験談から、部分改修を繰り返すよりも、一度に手を入れたほうがいいだろうと夫婦で相談してフルリノベーションすることに決めました。「1階のLDKと寝室を可動式の間仕切り棚で仕切る」というアイデアは、とても機能的だと思います。これなら生活の音や家族の声が聞こえて、寝室で休んでいても安心感がありますし、横になっている姿は見えないので、ご近所さんにも気兼ねなく訪ねてもらえやすそうです。あと、対面キッチンも気に入っています。窓を変えたことでレースのカーテン要らず。思った以上に見晴らしが良くて、気持ち良く家事ができます。これからもこの場所での暮らしを楽しみたいですね。