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2020/05/03 - story

子世帯と親世帯、両方の希望を叶えた二世帯実家リノベ

札幌市・夫婦、母、猫3匹

最近、特に都市部では条件のいい場所に土地を見つけるのが難しくなっています。また共働きのご家庭も多いことから、子育てや資金の面から二世帯での家づくりを検討される方も増えています。そこで今回は、子世帯と親世帯、双方の要望やタイミングがうまく合致し、実家をリノベーションで二世帯住宅につくり変えたIさんご家族の家づくりをご紹介しましょう。


「そろそろ持ち家を」とIさんご夫妻が動き始めたのは2年ほど前でした。ちょうど同じ頃、奥さんの実家でも、老朽化した部分の改修と設備の入れ替えを検討していたといいます。ご夫妻が将来的に、奥さんのお母さんに子育てに協力してもらう予定だったこともあり、実家の二世帯化が選択肢の一つに浮上。ご主人の実家がまだ改修を必要としていなかったこと、奥さんの実家のほうがご主人の職場に近いこともあり、両家の賛成を得て二世帯同居のフルリノベーションに踏み切りました。

増築した2階の下をカーポートのように設計。金属サイディングの外壁材で、見た目の印象もガラリと変化した

増築した2階の下をカーポートのように設計。金属サイディングの外壁材で、見た目の印象もガラリと変化

当初Iさんご家族は、玄関を含め親世帯・子世帯の完全分離を計画しましたが、設備費用が増えて居住空間も狭くなるため一部共用に変更。玄関は親世帯と子世帯で左右に分かれるプランとしました。また1階の浴室は共用のため、階段を降りてすぐ横に脱衣スペースへ直結する引き戸を配置しています。

将来の子ども部屋2室と、猫のトイレスペースの確保が、子世帯の絶対条件でした。限られた空間に必要な機能を効率よく配置するため、対面カウンターをダイニングに。その分ゆったりとした広さのリビングスペースを確保しました。

ダイニングは、思い切ってカウンターテーブルに。暮らしてみると「一番居心地のいい場所」とご主人

ダイニングは、思い切ってカウンターテーブルに。暮らしてみると「一番居心地のいい場所」とご主人

キッチンは白とグレーでまとめ、清潔感のある落ち着いた雰囲気。背面に一部を「見せる収納」に。背の届かない高い棚は飾り用としてディスプレイを楽しめる

キッチンは白とグレーでまとめ、清潔感のある落ち着いた雰囲気。背面の一部を「見せる収納」に。背の届かない高い棚は飾り用としてディスプレイを楽しめる

ダイニングをコンパクトにした分、リビングはゆとりの広さを確保。仕切り壁の上部を開けてユーティリティ側にも自然光が届くよう配慮した

ダイニングをコンパクトにした分、リビングはゆとりの広さを確保。仕切り壁の上部を開けてユーティリティ側にも自然光が届くよう配慮した

インテリアは白を基調にグレーや黒、ブルーを散りばめ、明るくも落ち着いた印象です。室内窓や、リビングと洗面台の間仕切り壁の上部を空けるなど、外の光が家の奥まで届くための工夫もしています。また各部屋ごとの収納を無くす代わりに、家族で共有できる大容量のウォークインクローゼットを設け、省スペース化を図りました。

リビングの仕切り壁の裏手に配した造作の洗面台は、ハイクラスのホテルを思わせる仕様。トイレもグレートーンでコーディネートした。長手の幅いっぱいに設けたカウンターが空間のアクセントに

キッチンの通路側には大きな採光窓。黒色の窓枠が空間のインテリア性を高めている。この窓は、開放感を損なわない間仕切りとしても機能

キッチンの通路側には大きな採光窓。黒色の窓枠が空間のインテリア性を高めている。この窓は、開放感を損なわない間仕切りとしても機能

寝室や子ども部屋は木目の床材にして、LDKとは異なる温かみのある雰囲気

寝室や子ども部屋は木目の床材にして、LDKとは異なる温かみのある雰囲気

ウォークインクローゼットの一部は、長身のご主人のため高い位置にハンバーパイプを設置

各部屋の収納をなくして、このウォークインクローゼットに収納の機能を集約した。長身のご主人のため高い位置にハンガーパイプを設置

一方、親世帯に暮らすお母さんの要望は、仏壇と猫のスペースの確保。子世帯と比べて面積の制約は少ないものの、間取りの自由度は高くありませんでした。そこで工夫したのが、収納を備え効率よく使えるダイニング・キッチン。すべてがピタリとはまる最適解が見つかりました。内装にはお母さんの好みを反映。「この年で新しい家に住めるなんて!」とお喜びいただきました。

2面採光にして明るくなった親世帯のリビングは、白と温かみのあるダークブラウンの木目調を基調とした。引き戸を開け放てば、寝室とひとつながりの開放的な空間が誕生

2面採光にして明るくなった親世帯のリビングは、白と温かみのあるダークブラウンの木目調を基調とした。引き戸を開け放てば、寝室とひとつながりの開放的な空間が誕生

キッチンの横並びに配したテーブルは、予備の調理台に、ダイニングに、書斎にと、多目的に使える。リビングの一角には、懸案だった猫の食事スペースとグッズの収納棚を造作。上部は寝室側の仏壇スペースになっている

キッチンの横並びに配したテーブルは、予備の調理台に、ダイニングに、書斎にと、多目的に使える。リビングの一角には、懸案だった猫の食事スペースとグッズの収納棚を造作。上部は寝室側の仏壇になっている

水まわりには、お母様の好みを反映。洗面台はこだわりのサブウェイタイルでおしゃれにセンスアップ。トイレの壁紙はスウェーデンのデザイナー、ロッタ・キュールホルンのデザインで、お母様のお気に入り

水まわりには、お母さんの好みを反映。洗面台はこだわりのサブウェイタイルでおしゃれにセンスアップ。トイレの壁紙はスウェーデンのデザイナー、ロッタ・キュールホルンのデザインで、お母さんのお気に入り

諸条件を満たさなければならないパズルのような間取りの難題を、これまでの経験を生かして解決したIさんご家族のお住まい。ご夫妻の「生活にぴったりの好立地で将来を見据えての同居」、お母さんの「家の傷んだところや古くなった設備の取り替え」といったお互いの希望を満たす実家リノベで、快適な二世帯住宅を叶えました。