あしたが楽しみになるリフォーム&リノベーションメディア
2020/10/01 - idea

リタイア後も安心。シニア世代の快適な住まいづくりのポイント

リタイア後を見据えて、広い戸建て住宅からマンションに住み替えたり、長年暮らしているマンションをリノベしたりする例も最近は多く見られます。子育て世代とは住宅に求めるものが変わってくる、シニア世代の家づくり。そこで今回は、シニア世代が安心して快適に暮らせるリノベーションのポイントを、実例から紐解いてみましょう。


断熱性能

室内の大きな寒暖差は、健康の大敵

よく知られているように、暖かい部屋から急に寒い廊下や水まわりに出ると、その寒暖差が身体の負担になって「ヒートショック」という現象を起こす可能性が高まります。1年間に家庭内事故で亡くなる人の数は、1年間で発生する交通事故による死亡者数の約4倍ともいわれ、寒さに起因する家庭内事故の多くはヒートショックによって引き起こされています。

北海道では言うまでもなく、家のなかの寒さは大敵。特にシニア世代はヒートショックのリスクが高いため、リノベを機に断熱・気密性能を改善し、一年を通して快適に暮らせる住環境をつくることは、健康に日々の生活を楽しむためにとても大切です。

趣味嗜好を楽しむ空間

趣味嗜好を楽しむ住まいの工夫で、心豊かな日常を

自宅で過ごす時間が増えることも考え、リノベーションをきっかけに趣味を楽しむ工夫を取り入れるケースも多く見られます。例えば、こちらは念願だったお気に入りのテイストを住空間に反映させたケース。LDKを長く愛用してきた飛騨高山のダイニングテーブルに合う、クラシカルな雰囲気の内装に仕上げました。お気に入りの空間に居られるだけで、気持ちがいいですね。

イギリスアンティーク家具が似合うシックな空間に。

愛用のダイニングテーブルに合わせて、インテリアをコーディネート

一人の時間を楽しむための空間をつくる、というケースもあります。こちらは、ご主人のためのプライベート空間。ゆったりとしたつくりで、好きな映画を観たり音楽を楽しんだり、一人の時間を満喫できます。

落ち着いたトーンでまとめたご主人の部屋。木のアクセントウォールと造作建具にはめ込んだアンティークのステンドグラスが空間に映える

奥さまの楽しみを広げる工夫を設けたケースもあります。こちらのお住まいでは、リビングの横に奥さまの専用のスペースを配置。洋裁の作業台も置ける広さです。また華道歴20年ということで、キッチンカウンターの並びには、趣味の生け花専用のシンクも設けました。専用の場所をつくることで、趣味の時間がますます楽しくなりそうです。

介護など将来を見据えた計画

介護も想定して、水まわりや寝室を設計

シニア世代のリノベーションを考えるうえでのキーワードが「介護」や「バリアフリー化」です。「終の棲家」をつくる以上、より長く安全に快適に暮らせるための準備を、設計的にしておくことも大切です。意識して設計するのはやはり「バリアフリー化」です。廊下やトイレなどのスペースを広くする、間仕切り壁や段差をなくす、寝室をLDKの近くに配置するなど、機能性を踏まえて設計するのがポイントです。

リビングの隣にご夫妻の寝室を配置したリノベーション例。

将来の介護も視野に入れて、リビング横につながり感のある寝室を設けたリノベーション例。間仕切り収納で、空間を緩やかに分けた

また寝室のつくりを工夫して、万が一、介護が必要になった際にも対応しやすいよう設計するケースもあります。こちらのお住まいの場合は、将来的な介護の可能性を考えて寝室を2部屋分の広さに。このようにスペースを確保しておければ、介護用のベッドが必要になったときにも安心して場所を確保できます。

将来の在宅介護の可能性も考え、2部屋分の広さを確保した寝室

将来の在宅介護の可能性も考え、2部屋分の広さを確保した寝室


人生100年(!)ともいわれる長寿命社会の今、リノベーションは老後を安心できる住まいで暮らすための重要な手段でもあります。心豊かに暮らせる場所をつくるためには、現状の住まいの問題点と将来に向けて手を入れるべきことを把握し、それをコストバランス良く改善することが必要です。専門家に相談しながら、充実した老後につながる住まいを考えてみてはいかがでしょうか。