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2021/04/29 - column

【第3回】いよいよ工事開始!スケルトン化のメリットとは?

SAWAI建築工房に、築47年の中古マンションリノベーションを依頼してくださったN様。マンションの構造やライフスタイルに寄り添った理想のプランニングを終え、いよいよ工事が始まりました。マンションリノベ連載企画第3回は「スケルトン工事編」です。


自由な設計と既存状態の確認に欠かせない「スケルトン化」

既存建物の内部をすべて解体してスケルトン状態にした後、内部の造作工事がスタートしました。今回のように大きな間取り変更を行うリノベーションの場合は、設備の入れ替えや内部仕上げの修繕などと違って、屋内を一旦、ほぼ何もない状態にする工事を行うことになります。

解体工事をしてスケルトン化した後、内部造作工事が始まったN様のマンション

この日は大工さんがフローリング材を施工中

リノベーションは、部分的なリフォームに比べてコストはかかりますが、その分、設計の自由度が高く、「マンションの現状が確認できる」というメリットもあります。

特に築年数を重ねたマンションは、配管や窓まわりなど見えない部分の劣化が進んでいる場合が多く、スケルトン化することで既存状態の確認と必要に応じた対策ができます。築47年のこのマンションも例外ではありません。プランの自由度の高さと現状を確認できる安心感。スケルトン化を伴うリノベーションはその意味で、一石二鳥の選択肢ともいえるでしょう。

一旦スケルトン化して間取りを見直すことで、広々としたLDK空間を実現

趣味を楽しむ土間空間や室内窓など、ライフスタイルに合わせた自由な空間づくりが可能になる

スケルトン化で、初めて分かることがある

リノベーションをする際に、覚えておきたいのは「解体することで初めて分かることがある」という点です。スケルトン化で判明した状態によって想定していたプランの実現が難しくなってしまうこともあれば、逆に諦めていたことが可能になるケースもあります。N様のマンションも例に漏れず、トイレの配管の接続方向が予想と違っていたなど、スケルトン化を機に発覚したことがいくつかありました。

思ったよりも複雑な接続方法になっていたトイレの配管部分。分かっていたらトイレの配置が違ったものになっていたかも…

中でも思いがけなかったのが、既存の玄関土間と、通り土間を予定している床面の高低差です。収納をなくして、玄関からサンルーム方向へとまっすぐ土間を延ばすプランにしているのですが、解体してびっくり。玄関ホールや収納のあった場所と既存の玄関土間の高低差が、階段1段弱分ほどあったのです…!

既存の玄関の高さに合わせてレベル調整の工事を行う予定ですが、リノベーションではこのような想定外の事態が起こることが往々にしてあります…。とはいえ事前にマンションの竣工図で確認できることもありますし、すでに物件を購入していれば、不安な箇所を一部解体して調べることもできます。想定外のことが起きないように入念に備え、万が一何かあっても冷静に柔軟に対応したいところです。

解体前は玄関に入ると正面に扉があり、収納になっていた

扉も壁も収納も取り払われて、正面の窓まで一直線に続く空間に

スケルトン化によって、玄関と上がり框の取り合いに想定外の段差があることが発覚

スケルトン化によって、玄関と上がり框の取り合いに想定外の段差があることが発覚

「物件選び」から設計や施工の専門家に協力を仰ぐのがベスト

自分たちで物件を探して決めてからリノベーションを依頼する方も多いですが、最も安心なのは、物件選びから専門家と一緒に行う方法でしょう。N様宅のLDKの天井は、コンクリートに直に塗装を吹き付けた仕上げでしたが、一般の方がこれを塗装なのかクロスなのか一目で判断できるかは、難しいところ。「マンションリノベらしく、躯体のコンクリートを現しにして仕上げたい!」と考えていたのに、購入後にそれが実現不可能だと判明するといったリスクもあります。

せっかくなら、プロの目線と自分の希望をすり合わせながら理想のマンションに出会って、本当に満足できるリノベを実現できるのが一番ですよね。

コンクリート造の天井に直に塗装を吹き付けてあり、剥がすのが困難なことは事前に把握。今回はN様の要望もプランのテイストもコンクリート現しではなかったので、天井の下に下地を施工して仕上げる予定

スケルトン化によって想像していたのと違う点がいくつか判明したものの、N様の中古マンションリノベの工事は順調に進行中です。しばらくの間は内装工事が続きますが、床・壁・天井ができて設備が入り始めると一気に雰囲気が変わって、リノベーションの全貌がより明らかになっていくでしょう。次回のリポートもぜひお楽しみに!

榎又 円香
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榎又 円香
Madoka Enomata
営業・設計アシスタント
増改築相談員・カラーコーディネーター